【CPS】 2021 Season Round.2 (第3戦・第4戦) レースレポート

2021年5月23日(日)、MINI CHALLENGE JAPAN.2021 Round.2が、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。MCJPは富士スピードウェイ、スポーツランドSUGO、岡山国際サーキットと各地で熱戦が繰り広げられてきましたが、鈴鹿サーキットがMCJPのレースカレンダーに盛り込まれたのは初めてのこと。屈指のテクニカルコースと言われ、世界的にも知られるこのサーキットにおいて、ミニたちがどのような戦いを見せてくれるのか大いに注目が集まりました。

Round.2 クーパーSクラス(CPSクラス)のエントリーは、
#4 三尾 修 選手(楽しく走ろう.com/モレキュール R’SDESIGN MINI)
#6 Antonio Ito 選手(CLUB PAZZO ARIIX RACING/PAZZOARIIX F56CPS)
#18 奥村 浩一 選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】/BRP★MINI岡山F56CPS)
#19 吉田 知史 選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】/BRP★MINIたちばな運輸F56CPS)
#30 白戸 次郎 選手(楽しく走ろう.com/MOLECULU萬雲塾F56CP)
#32 橋本 洋平 選手(GTF RACING TEAM/GTF Okazaki F56CPS)
#70 増田 直人選手(増田 直人/エルファイネスト CPS)
#77 古田 聡 選手(ピットハウスレーシング/ガレージピットハウスF56CPS)
#337 三浦 康司 選手(三浦 康司/D.D.R☆制動屋 MINI)
以上9名となります。

9名の参戦ドライバーで第1戦に出場しているのは、2連勝を果たした古田選手のほか、Antonio Ito 選手、奥村選手、吉田選手ですが、ほか5名が今シーズン初めてのMCJP。しかも3名は初参戦ということで、どのようなレース展開になるのかも見どころのひとつとなります。

今シーズン初参戦の5名のうち、白戸選手と増田選手は昨シーズンの出場経験があり、ポイントランキングが白戸選手 2位、増田選手 3位という両者とも優勝を狙える強豪ドライバー。一方、昨年の出場経験がないドライバーのなかで、三尾選手は86/BRZレース クラブマンシリーズをはじめレース経験を持っており、今回はRound.1で谷岡選手が駆ったマシンとともに戦います。

また、橋本選手は自動車ジャーナリストとして活躍していますが、やはり86/BRZレース クラブマンシリーズに参戦経験があり、2019年にはシリーズチャンピオンを獲得するなど実績も充分。そして三浦選手も注目の存在です。昨年のCPSクラス シリーズチャンピオンである瀧井選手から“337”号車を受け継ぎ、今シーズンから参戦。Round.1はマシントラブルのため出場できませんでしたが、西日本ヴィッツレースチャンピオンなどを獲得しているドライバーですので、優勝争いに加わってくるのは間違いなさそうです。

予選


やや雲の多い空模様のなか、MCJPの公式予選が午前9時58分にスタートしました。路面はドライコンディションで、日が上がってくるにつれて路面温度がかなり高くなりそうです。CPSクラスのマシンは、奥村選手を先頭にコースイン。2周目に入ると、多くのマシンがアタックを始めました。

まず奥村選手が2周目に2分39秒315をマーク。3周目には古田選手が39秒台、白戸選手、増田選手、三尾選手が40秒台、Antonio Ito選手が41秒台を出しますが、奥村選手のタイムには届きません。しかし4周目に入ると、古田選手が2分38秒728、増田選手も2分38秒946をまでタイムを縮め、同じく4周目に橋本選手が2分39秒457、また三浦選手も2分39秒638とタイムを上げてきました。

以降も多くのマシンが鈴鹿サーキットのコースを確かめるように6、7周走行しましたが、これ以上のタイムを出すことはなく、ポールポジションは2分38秒728を出した古田選手が獲得。そして2番手 増田選手、3番手 奥村選手、4番手 橋本選手、5番手 三浦選手、6番手 吉田選手、7番手 白戸選手、8番手 三尾選手、9番手 Antonio Ito選手という予選結果となりました。

2分38秒台後半が古田選手と増田選手の二人、そして39秒台が4人とタイム差が少ない予選結果となり、CPSクラスは決勝レースにおいて激しいバトルが繰り広げられることが予想されます。

ポールポジションを獲得した古田選手は、

「鈴鹿サーキットを走った経験はそれほど多くないので、タイヤを温めつつ2周ほど流しながらコースのおさらいをしてからアタックしました。何度かミスがあったので、もう少し速く走りたかったなというのが正直な気持ちです。鈴鹿は高速コーナーが多く、タイヤにはきついコースです。よく摩擦円で示すことがありますが、コーナリング方向、加減速方向ともにタイヤのグリップ力の限界を超えないように気をつけて走りました。決勝レースは優勝を目指して走りますが、2位以下とは僅差ですので混戦になるでしょうね。そこからうまくすり抜けて勝ちたいと思います

と決勝レースに向けての抱負を語ってくれました。

第3戦 決勝


Round.1においてもクリーンでありながら激しい順位争いで目の離せない展開となったCPSクラス。Round.2 決勝レース#1(第3戦)は、よく晴れ渡った爽やかな天候のなか、古田選手、増田選手、奥村選手、橋本選手、三浦選手、吉田選手、白戸選手、三尾選手、Antonio Ito選手の順でスターティンググリッドにつくと、午後1時20分、一斉にスタートしました。

1コーナーは古田選手が迫る増田選手を抑えてポールショット。奥村選手が後退し、上位の4台、古田選手、増田選手、橋本選手、三浦選手が激しく順位を争います。そしてNISSINブレーキヘアピンで増田選手が古田選手を捉えトップに躍り出ると、その後橋本選手がも古田選手を抜き2位へ浮上。1周目を終え、増田選手、橋本選手、古田選手、三浦選手、奥村選手、吉田選手、三尾選手、Antonio Ito選手、白戸選手の順でコントロールラインを通過しました。

しかし2周目に入ると橋本選手のペースが落ち始めます。3周目を終えたところでピットインし、マシントラブルのためそのままリタイヤとなりました。その後3周目、4周目と、増田選手、古田選手、三浦選手の順位は変わりませんが、3台の激しいバトルが続き古田選手は強烈なプレッシャーをかけ続けます。そして、5周目のデグナー2で、古田選手が増田選手のミスを見逃さず前へ出てトップに立ちます。

6周目に入ると、増田選手が1コーナーで仕掛けますが順位は変わりません。その後は少しずつ古田選手が2位以下を引き離していきます。一方、先頭集団の後方では、奥村選手、吉田選手、三尾選手の4番手争いが激しさを増しており、7周目には三尾選手が吉田選手を捉え5位に。こうしてレースは9秋雨で終了し、最終的には2位に1秒692の差をつけた古田選手が優勝。2位は最後までくらいついた増田選手、そして初出場ながらアグレッシブな走りを披露した三浦選手が3位をゲット。

そして4位 奥村選手、5位 三尾選手、6位 吉田選手、7位 白戸選手、8位 Antonio Ito選手という結果になりました。なお、Round.2 決勝レース#1(第3戦) CPSクラスのファステストラップは、古田選手の2分39秒270でした。

優勝した古田選手は、

「Round.1から数えて3連勝となりましたが、今回はとても厳しいレースでしたね。序盤に増田選手に抜かれてしまい、想定外の展開になってしまいました。何とか盛り返して結果を出すことができましたが、増田選手のミスがなければどうなっていたかわかりませんね。鈴鹿は2年ぶりです。だいぶコースの景色を思い出してきたので、次のレースはいいタイムを並べられるようにがんばりたいと思います

と接戦を振り返りました。

2位の増田選手は、

「今回はスポット参戦なのですが、このレースはなかなか難しいですね。もうちょっと上手に乗れるかと思っていたのですが。それでもがんばってトップ争いをすることができたものの、ミスを突かれてしまいました。決勝レース#2はリバースグリッドなので4番手スタートとなりますが、落ち着いてスタートできれば順位を上げることができると思います」

と話してくれました。

3位の三浦選手は、

「走りはまだまだですが、とても楽しいレースができました。Round.1直前の練習走行でクルマを壊してしまい、つい先日直ってきたばかりなんです。セッティングなどもきっちりきまらず、ぶっつけ本番のような状況で臨みました。昨シーズンのチャンピオンカーを受け継いでいるので、しっかりと体制を整えて優勝を争えるようにがんばりたいと思っています

と語りました。

第4戦 決勝


決勝レース#2 第4戦は、午後4時過ぎのスタートとはいえ、気温26℃、路面温度44℃と、そのコンディションはタイヤになかなか厳しいもの。多彩なコーナーが待ち受ける鈴鹿サーキットだけに、ライフ性能に優れたタイヤをもってしてもレース後半のドライビングには細心の注意が必要になりそうです。

一方、レースにさらなる見どころを与えているのが、MINI CHALLENGE JAPANならではの“リバースグリッド”。これは各クラスにおいて決勝レース#1で上位60%に入ったドライバーがその順位を「ひっくり返して」グリッドにつく方式です。Round.2のCPSクラスは9台の出場ですから、決勝レース#1の1位から5位までがこの対象となり、ポールポジションは三尾選手、2番手 奥村選手、3番手 三浦選手、そして4番手 増田選手、5番手 古田選手の順でスターティンググリッドにつき、以降は決勝レース#1の順位通りに、6番手 吉田選手、7番手 白戸選手、8番手 Antonio Ito選手、9番手 橋本選手となりました。

そして午後4時25分、MCJP 第4戦の火ぶたが切られると、1コーナーで三尾選手のアウト側から三浦選手が一気にトップへ出ようと仕掛け、そのすぐ後方には増田選手と古田選手が迫ります。奥村選手はやや出遅れ5番手へ、さらに橋本選手、吉田選手、白戸選手、Antonio Ito選手と続きました。1周目はその後も僅差の集団となり、三浦選手がトップでコントロールラインを通過。2番手には三尾選手をかわした増田選手が上がり、三尾選手、古田選手、橋本選手、奥村選手、吉田選手、白戸選手、Antonio Ito選手の順で追走します。

2周目に入ると4位につけていた橋本選手が決勝レース#1と同じようにスローダウンし、そのままリタイヤとなってしまいました。その一方で、レースはさらに激しさを増します。三浦選手に増田選手がプレッシャーをかけ、この2台が接近戦を行うなか、やや離れていた古田選手がじわじわと追いついてきました。そして4周目の130Rで増田選手がついに三浦選手をパスしトップへ。増田選手、三浦選手、古田選手のバトルがさらにヒートアップする展開となりました。

3台の接戦は5、6、7周と続きますが、7周目に入ると増田選手が後続をやや離し始めました。古田選手は三浦選手を抜いて増田選手を追いかけたいところですが、なかなか前に出ることができません。古田選手は8周目にダンロップコーナーで仕掛け、デグナーで三浦選手とサイドバイサイドとなるとようやく2位へ浮上。しかし、その間に増田選手はアドバンテージを広げており、10周を終え2位に3秒956の差をつけてフィニッシュ。増田選手は昨シーズンのレースでの最高位は2位で、これがうれしい初優勝となりました。

2位は追い上げるも届かず古田選手、そして3位は前戦に続き三浦選手、4位は三尾選手、5位は白戸選手、6位はAntonio Ito選手、7位は吉田選手、8位は奥村選手という結果になりました。なお、Round.2 決勝レース#2(第4戦) CPSクラスのファステストラップは、古田選手の2分38秒646でした。

優勝した増田選手は、

「鈴鹿のレースでイチバンというのは格別ですね。本当にうれしいです。私が一生懸命逃げている様子は、MINI CHALLENGE JPの公式YouTubeでご覧いただけますので、ぜひ見てくださいね。レースではスタートに賭けて、前半から逃げきろうと思っていました。後半は三浦選手と古田選手がバトルしてくれたので、ヨシッという感じでした。今回はスポット参戦でしたが、こんないい思いをするとまた出場したくなりますね。みなさんもとても楽しい参加しやすいレースですので、ぜひチャレンジしてください

と喜びを語りました。

2位の古田選手は、

「増田選手は本当に速かったです。今回はミスをしてくれず、つけ入る隙がありませんでした。鈴鹿サーキットはすぐ後ろにつくことはできても、抜くのは難しいコースですね。マシンに性能差がないワンメイクだとなおさらです。今日はレース終了後に、パレードランがありますね。ミニはふだん乗っていても楽しいクルマですが、サーキットを走るとまた違った面を見せてくれるはずです。ぜひ楽しんで走行してくださいね

と話してくれました。

3位の三浦選手は、

「持てる力をできる限り出しましたが、1位と2位の二人が速かったですね。それでも結果が残せてホッとしています。マシンを復活させて、レースに間に合わせていただいたみなさんに本当に感謝しています。表彰台に立てて、何とか恩返しができたかなと思っています。ところで古田選手とバトルしていたときなのですが、サイドバイサイドで並んだら、実は二人で見つめ合っちゃいました。“このあと、どうしよう???”っていう感じで・・・。それも含めて、とても楽しいレースでした

とレース中のエピソードも披露してくれました。

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