MINI CHALLENGE ASIA.JAPAN SERIES2018 #08富士スピードウェイレースレポート

2018年12月8日(土)、MINI CHALLENGE ASIA.JAPAN SERIES(MCJP) 2018 第8戦を、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて開催いたしました。

第1戦も行われた富士スピードウェイは、メインスタンド前にロングストレートをレイアウトした高速コース。ミニチャレンジ カップカーのパフォーマンスを存分に発揮し、今シーズンを締めくくる最終戦を誰が制するのか、また初代シリーズチャンピオンを獲得するのは誰なのか、興味は尽きません。

MCJPファーストシーズンは、気まぐれな空模様に振り回されることが多かったのですが、この日は雲が多かったものの降水確率は0%。ただし、終日10度を下回る気温が予想され、ドライバーはタイヤが温まりにくいコンディションに悩まされそうです。

さて、大いに気になるのがシリーズのポイント争い。MCJPは各レースにおいて決勝の結果だけでなく、決勝のベストラップと予選順位に対してもポイントが与えられます。第7戦を終了した時点で、1位が318ポイントの一條 拳吾 選手(adidasモータースポーツ)、2位には259ポイントの山田 遼 選手(Forgeモータースポーツ)が続き、このふたりがチャンピオンに手が届く位置にいます。

ただし、一條 選手がかなり有利な状況で、もし予選で2位までに入ると、山田 選手が予選1位、決勝優勝、ベストラップとすべてを手中に収めたとしても一歩およばず、一條 選手のシリーズチャンピオンが決定します。そういった意味でも、予選には大いに注目が集まりました。

公式予選 20分間1ステージ

11時40分にスタートした公式予選は、厚い雲が空を覆ったもののコースコンディションはドライ。全車スリックタイヤで出走しましたが、路面温度が13.1度と冷え込みが厳しく、タイヤの温まりが遅かったこともあって、1周目からにスピンするマシンが続出しました。また、一条 選手が序盤にいったんピットンするなど、誰がトップに立つかわからない状況に目が離せません。

そんな中、ポールポジションを獲得したのは、5周目に各セクターでまんべんなくタイムを揃え1分54秒581をマークした山田 選手。2番手はピットイン後に再度コースに出ると予選終了間際の7周目に1分55秒216を出した一條 選手が続き、3位には1分55秒332で#32 村田 信博 選手(GIOMIC RT)が入りました。

この結果、一條 選手は4ポイントを獲得。予選終了時点でトータルポイントが323となり、決勝でこれを上まることができる選手がいないためシリーズチャンピオンが決定しました。

公式予選後に行われた会見で、ポールを獲得した山田 選手は、「路面温度が低く、それに合わせるためメカニックの方にぎりぎりまでセッティングを煮詰めてもらったのですが、それが功を奏したようです。決勝は楽な展開にはならないと思いますが、接戦のなかでも状況を的確に判断しながら、ポール・トゥ・ウィンを決めたいと思います」とコメント。

一方、2番手の一條選手は「予選はマシンを壊さないようにマージンを取って走りましたが、決勝はみなさんに“スゴイッ”と思っていただけるような速さを見せるレースをしたいですね」と意気込みを語っています。

なお、3番手以降のグリッドは、4番手 #14 カット・リー選手(Great Drive RT THAILAND)、5番手 #02 後藤 比東至 選手(IDI号MINI JAPAN)、6番手 #05 松田 秀士 選手(Neu interesse JAPAN)、7番手 #81 東風谷 高史 選手(チーム サントメ・プリンシペ)、8番手 #318 ヘンリー・リー 選手(Great Drive RT HONGKONG)となっています。チャンピオン争いには決着がついたものの、決勝レースではワンメイクならではの熱い戦いを期待したいところです。

決勝レース

富士スピードウェイは午後になっても曇り空。時折太陽が顔を出すものの肌寒さは変わりません。しかし雨が落ちてくることはなく予選同様に路面はドライで、全車スリックタイヤを履いての出走となりました。

レースは20分間+1周で争われ、ドライバーは誰もが有終の美を飾るため気合い十分で臨みます。しかしスタート時の路面温度は11.2度で公式予選よりさらに2度近く下がり、ドライバーはかなり神経をすり減らすコンディションとなりました。

そして決勝レースのスタートは15時34分。ポールポジションの山田 選手がやや出遅れ、直後の第1コーナーで一條 選手が前に出ると、1周目はコンマ42秒引き離してコントロールラインを通過。そのあとに村田 選手が続きます。なお、4番グリッドを獲得していたカット・リー 選手はフライングスタートとみなされ、ドライビングスルーペナルティが科されたことにより後退。そのほかの4番手以降の選手も、上位3台に徐々に引き離されていきます。

一方、一條、山田、村田の3選手は、息が詰まるようなデッドヒートを繰り広げます。山田選手はメインストレートで一條選手のスリップに入ると、毎周第1コーナーで一條 選手に仕掛けますが、なかなか前に出ることができません。しかし、ファイナルラップの第1コーナーでついに山田 選手が前へ出ると、さらに2台の隙を突いて村田 選手がトップへ躍り出ます。その後、一條 選手はマシントラブルでスローダウン。以降は村田 選手と山田 選手のバトルとなりましたが、最終コーナーで山田 選手が抜き返し、そのままチェッカーを受けました。なお、3位は第7戦のアクシデントからぎりぎりでマシンの修復が間に合ったものの、万全の体制ではなかった東風谷 選手が入ったほか、決勝レースのファステストラップは、村田選手が3周目にマークした1分55秒451となっています。

優勝した山田 選手は、「スタートでホイールスピンしてしまい、一條選手に前へ出られてしまいましたが、焦らず落ち着いていこうと思っていました。まるで練習走行のときのようにライン取りなどいろいろ試しチャンスをうかがっていたのですが、なんとか最後にトップに立つことができ、いまはすっきりした気持ちです」とコメントしています。

そして、第8戦の結果を受け、2018 MINI CHALLENGE ASIA.JAPAN SERIESの順位も決定。トータル358ポイントの一條選手がシリーズチャンピオンに輝き、2位が318ポイントの山田 選手、3位が258ポイントのカット・リー選手となりました。

一條 選手は、「今日のレースは4周目くらいからマシントラブルを抱えていて、スピードがのらない状態が続きました。なんとか最後までと思っていたのですが、守りきれなかったのはとても悔しいですね」とレースを振り返りました。さらに、「初代チャンピオンになれたことは本当にうれしいです。支えてくれたたくさんの方々に感謝します」と喜びを語りました。

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