【JCW】2021 Season Round.1 (第1戦・第2戦) レースレポート

2021年5月8日(土)、MINI CHALLENGE JAPAN.2021 Round.1が、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。注目の開幕戦は前日に路面を濡らした雨がやんで晴れ上がり、初夏を思わせるような気候。2021シーズンのスタートは、存分にMINIのパフォーマンスを発揮できるコンディションのなかで行うことができそうです。

富士スピードウェイは、1.5kmのロングストレートをはじめハイスピードコースとして知られる国内有数のサーキット。JCWクラスのワンメイク専用マシンの場合、最高速は優に200km/hを超え、またスリックタイヤを履きこなしコーナリングスピードも高く、迫力のある走りを披露してくれます。最終戦のRound.5も富士スピードウェイが舞台となるだけに、その攻略はシリーズチャンピオン獲得に向けて非常に重要になるはず。シーズンのゆくえを占う上でも、Round.1には大いに注目したいところです。

Round.1 JCWSクラスのエントリーは、
#2 後藤 比東至 選手(EX-FORM RACING/EX-FORM F56JCW)
#9 平田 雅士 選手(RH.SAKAI with HIRATA.AC/IDI 平田空調 RH坂井F56JCW)
#17 鈴木 建自 選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】/BRP★MINI F56JCW)
#57 阿部 良太 選手(TeamAbeMotors/TeamAbeMotorsF56JCW)
の4名となりました。

Round.1において初参戦のドライバーはいませんが、昨シーズン、出場4ラウンド、8戦すべてに優勝しチャンピオンに輝いた松本武士選手がチームサポートに回ったため、だれがシリーズを引っ張っていくのか、実に興味深いところです。プレシーズンからJCWワンメイクマシンのステアリングを握り、出場を続けている#2 後藤選手は、昨年、一昨年ともにシリーズ2位に甘んじ、今年こそはと気持ちを引き締めているはず。マシンのカラーリングなどに変更はなく、これまで通りEX-FORM RACINGからの出場となります。

#9 平田選手は、これまでも地元となる岡山国際サーキットでのレースに参戦し活躍されていますが、シーズンを通して参戦するのは初めて。他のサーキットでどのような走りを見せてくれるのかも気になるところです。#17 鈴木選手は、昨年初めてモータースポーツの世界に飛び込んだにもかかわらず、シリーズ2位の後藤選手と同ポイントを獲得。各戦の順位の差でシリーズ3位となりましたが、練習を積み重ねさらに速くなっている様子。必ずチャンピオン争いに関わってくると思わせる勢いがあります。また昨年からの参戦と言えば、#57 阿部選手もそのひとり。チーム編成も含めすべてゼロからのスタートでしたが、着実にステップアップしていることがうかがえます。

なお、これまでのMCJPは、出場したレースすべてが獲得ポイントの対象となっていましたが、今シーズンからは2クラスともに獲得ポイントの多い4ラウンドの合計でランキングを争うことになりました。昨年までは全戦に出場するとより有利でしたが、今シーズンは1ラウンドの欠場であればリカバリーしやすくなるため、この変更点はチャンピオン争いに影響を与えそうです。

予選


公式予選はスケジュール通り、午前8時30分から20分間行われました。JCW クラスは三浦選手、阿部選手、石井選手、鈴木選手の順でコースイン。石井選手は1周でピットに戻ると、前後タイヤを入れ替えて再スタートしました。続いて三浦選手もピットインし、前後タイヤの入れ替えを行っています。

Round.1 富士のスケジュールは、公式予選が午前8時から、午前11時50分から決勝レース#1(第1戦)、午後3時55分から決勝レース#2(第2戦)となっています。なお、公式予選は20分間、決勝レースはそれぞれ20分+1周で争われ、CPSクラスとJCWクラスは予選、決勝ともに混走となります。

午前8時、予定通りに公式予選がスタート。JCWクラスの4台は、後藤選手、平田選手、阿部選手、鈴木選手の順でコースインしました。鈴木選手はアウトラップを済ませるとピットインし、フロントに新品タイヤを、リアには走行して温まったフロントタイヤを装着。リアタイヤがなかなか温まらずグリップしないことによる、JCWクラスならではの対策を施して再びピットアウトしました。後藤選手も同じようにフロント新品、リアにフロントタイヤという作戦をとりましたが、一方、同様の対策ながら阿部選手は前後タイヤを入れ替えて再スタート。3台はここからが本格的なアタックとなります。

最初にしっかりとタイムを出したのは、ピットインせずに走行していた平田選手で、3周目に1分59秒869をマーク。その後もタイムを更新し5周目に1分58秒398が自身のベストタイムとなりました。続いて鈴木選手は、3周目となる最初のアタックで2分00秒991、4周目1分58秒753、5周目1分58秒438、さらに6周目には1分57秒965とタイムを縮めていきました。一方阿部選手は、3〜5周目まで2分13秒から15秒台で走行すると、6周目以降一気にペースを上げ、8周目に2分02秒572の自己ベストをマーク。走れば走るほどタイムが上がっていく印象です。

3年目のシーズン、ぜひともいいスタートを切りたいと気合いが入っていたのは後藤選手です。4周目となる最初のアタックで1分57秒174を出したものの、最もタイムを狙った5周目は1分57秒256と伸び悩み、もう1周だけチェレンジ。その6周目で1分56秒373をマークしポールポジションを獲得しました。そして、2番手は鈴木選手、3番手は平田選手、4番手は阿部選手という結果となりました。

ポールポジションを獲得した後藤選手は、

「3周アタックしましたが、狙っていたのは2周目です。しかし、前を走るマシンに引っかかってしまって1周目よりタイムが伸びませんでした。今日のコンディションなら1分55秒台も見えてくるはずだと思っていたので、もう一度だけチャレンジ。目標には届きませんでしたが、56秒台前半をマークすることができました。今年はなんとしてもチャンピオンをとりたいと思いますので、ますはいいスタートが切れてよかったです

と喜びを語りました。

第1戦 決勝


2021シリーズの初戦となるRound.1 富士 決勝レース#1は、24℃と予選よりさらに気温が上がり、路面温度も40℃前後へと高まりましたが、そんな状況でも1周目はリアタイヤになかなか熱が入らないため、フォーメーションラップでは各車ともマシンを左右に振ってタイヤをできるだけ温めようとする様子が見受けられました。

そうして、後藤選手、鈴木選手、平田選手、阿部選手の順でグリッドにつくと、11時54分に第1戦の幕が切って落とされました。すると後藤選手が素晴らしいスタートダッシュを見せ、ポールショットを決めます。その後ろにはTGRコーナー(第1コーナー)で鈴木選手をかわした平田選手。そして鈴木選手、阿部選手と続きます。

1周目は、後藤選手がトップでコントロールラインを通過し、1秒016差で平田選手、そのすぐ後方に鈴木選手、やや遅れて阿部選手が続きました。後藤選手は周回を重ねるごとに後続を引き離していきますが、それとは対照的に2位争いが激しさを増します。3周終了時点ではコンマ5秒差まで鈴木選手が迫り、平田選手を猛烈にプッシュ。以降に大きなドラマが待っているのではと予感させましたが、ここで残念ながら鈴木選手には、早めのタイミングで動いてしまうジャンプスタートにより、ドライビングスルーペナルティが科されることとなり、4位ヘと後退を余儀なくされました。

鈴木選手がコースに復帰した時点では、阿部選手との差が10秒以上ありましたが、追い上げを図る鈴木選手が8周目に阿部選手を捉え3位に浮上。その後JCWクラスの順位に変動はなく、2位に20秒近い差をつけて後藤選手がポール・トゥ・ウインを飾り、2位が平田選手、3位が鈴木選手、4位が阿部選手という結果となりました。なお、決勝レース#1(第1戦)JCWクラスのファステストラップは、後藤選手の1分57秒591でした。

優勝した後藤選手は、

「実は昨シーズン、どのレースもスタートをうまくこなせていなかったので、とても緊張していたんです。そこをクリアできたのでいけるぞと思いましたが、気を抜かずに最後まで集中して走りました。勝つことができてとにかくホッとしたのひと言に尽きますが、鈴木選手がどんどん速くなっているのには驚いています。今後のレースではどんな展開になるかわかりませんね。うかうかしていられませんが、エントラントみんなでいいレースができたらと思っています

と喜びを語りました。

2位の平田選手は、

「鈴木選手のスタートミスがなかったらこの順位ではなかったという思いもありますが、2位という結果が得られたことはよかったですね。昨年までは地元の岡山国際サーキットのレースに出場していましたが、今年はフル参戦を予定しています。少しでもいいレースをして、いい結果がついてくればと思っています。頑張りますので、たくさんの方々に見ていただけるとうれしいですね

と話してくれました。

3位の鈴木選手は、

「自分でもビックリだったのですが、スタートでミスをしてしまい残念な結果になりました。ショックですが、気持ちを切り替えて次のレースに臨みたいと思います。レースを始めてからまだ10ヵ月しか経っていないのですが、いい出会いがあって現在はほかのカテゴリーにも参戦しています。そんな経験を積むなかで、いまはMINIを操る楽しさを強く感じています。また、MCJPで学んだことを他のレースでも活かすことができています。僕にとってはとてもとても大切なシリーズですね

と答えてくれました。

第2戦 決勝


1デイ2レースというレースフォーマットを採用したMCJPは、サーキットで過ごす一日を存分に楽しめるのが大きな魅力ですが、時間帯によってコンディションが大きく変化することもあり、それにきめ細かく対応することも必要になります。今回の決勝レース#2のスタート予定は午後3時55分となっており、気温17.8℃、路面温度29.7℃とともに大きく低下。タイヤの温まり方ひとつとってみても大きく異なるようです。

さて“1デイ2レース”とともに、MCJPの大きな見どころとなっているのが“リバースグリッド”を採用していることです。各クラスにおいて決勝レース#1で上位60%に入ったドライバーがその順位を「ひっくり返して」グリッドにくのがこの方式。Round.1のJCWクラスは4台の出場ですから、決勝レース#1の1位と2位が入れ替わり、ポールポジションは平田選手、2番手 後藤選手、3番手 鈴木選手、4番手 阿部選手の順でスターティンググリッドにつきます。

午後3時59分、予定より少し遅れてレース#2がスタート。後藤選手はすぐにトップへ出たいところでしたが、平田選手が素晴らしい出足を見せポールショットを決めます。オープニングラップは、平田選手、後藤選手、鈴木選手、阿部選手という順位のままレースが進んでいきましたが、最終コーナーで後藤選手が平田選手をパス。1周目に早くもトップに立ちました。

後藤選手は2周を終えて1秒125、3周目 1秒895、4周目 2秒265、5周目 4秒120と、周回を重ねるごとに2番手の平田選手とのギャップを広げますが、その間に平田選手とそれを追う鈴木選手の差が縮まってきます。そして鈴木選手はついに6周目に平田選手をTGRコーナーで捉え2位に。それ以降、鈴木選手はトップを走る後藤選手との差はなかなか縮められないものの、後ろにぴたりとつく平田選手には隙を見せません。また、阿部選手は5周目に自身のベストラップを刻むなど、安定した走りを見せ前をゆく3台を追走します。

こうしてレース後半は順位の変動はなく、後藤選手が2位に19秒の差をつけて2連勝を果たしました。2番手でチェッカーを受けたのは強烈なプレッシャーに動ぜずしっかりと後続を押さえきった鈴木選手、そして3番手が平田選手、4番手が阿部選手と続きました。ところがこのあと、鈴木選手のマシンが最低車高違反でペナルティを科されたため、後藤選手の優勝は変わらないものの、2位 平田選手、3位 阿部選手という結果で終了しています。なお、決勝レース#2(第2戦)JCWクラスのファステストラップは、後藤選手の1分56秒756でした。

優勝した後藤選手は、

「2連勝できてうれしく思いますが、やはりスタートはとても緊張しました。MCJPは見れても楽しいレースですが、出場するともっと楽しいと思います。たくさんの方にチャレンジしてもらいたいですね。MCJPのレースの模様は、僕が関わっているMINI専門誌“ニューミニスタイルマガジン”でも紹介しています。こちらもぜひチェックしてくださいね」

と話してくれました。

2位の平田選手は、

「スタートはうまくトップに立てたのですが、すぐ後藤選手に抜き返されてしまいましたね。鈴木選手にも抜かれてしまい、ちょっと悔しいです。次回は鈴鹿サーキットが舞台です。十数年前に一度だけ走ったことがあるのですが、どんなコースかはあまり覚えていません。そんなふうにゼロからのスタートのような部分もたくさんありますが、今年はシーズンを通して参戦するのでどんどん進歩していければと思っています

と抱負を語ってくれました。

3位の鈴木選手は、

「いま持っている力をすべて出し切ったという気持ちがあります。レース#1と比べると、トップの後藤選手を視界の中に捉えることができたところが違いましたね。それがとても楽しかったです。次戦の鈴鹿サーキットは地元なのでわくわくしています。昨年、シリーズチャンピオンを獲得した松本選手にアドバイスをしてもらっていますが、シリーズを通して研鑽を積み重ね、激しいバトルの中で成長していければと思います

と答えてくれました。

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