Round.5(第8.9戦)予選・本選レポート

 

2019年11月30日(土)、MINI CHALLENGE ASIA.JAPAN SERIES(MCJP)
2019 Round.5(第8戦、第9戦)を、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて開催。
9月のMINI JAPAN公認記念特別戦に続き、国内有数のハイスピードコースが舞台となりなります。

 

シーズンを締めくくるRound.5は、MINI CHALLENGEの大きな特徴とも言える
「1ラウンド2レース」のフォーマットで行われ、
朝一番の公式予選に続く2回の決勝レース(レース1[第8戦]、レース2[第9戦])は、
それぞれ20分間のスプリントレースとなります。しかもレース2はレース1の
順位を逆さにしてグリッドに並ぶ「リバースグリッド」方式を採用しているため、
ハラハラドキドキのヒートアップしたバトルが展開されるはずです。


Round.5のエントリーは、#01 ⼀條拳吾選手(adidas motorsport)
#02 後藤⽐東⾄選手(EX-FORM)、#05 松田秀士選手(Neu interesse)
#09 飯塚一成選手(IDI FUSION BANK)、#10 勝亦勇雅選手(IDI FUSION BANK)
#15 リン・ゼイ選手(Great Drive RT)
#19 松本武士選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】)
#22 吉田淳一選手(EX-FORM )の8台。飯塚選手と松本選手、吉田選手は
Round.4の初参戦に続くエントリーとなります。


Round.4終了時点のドライバーポイントランキングは、
一條選手が423ポイントを獲得し、シリーズチャンピオンの座に最も近い位置にあり、
続いて395ポイントの後藤選手が2位、314ポイントのリン・ゼイ選手が3位につけています。
⼀條選手が2年連続でチャンピオンに輝くのか、
それとも他の選手が果敢に攻めて逆転するのか?
2019年を締めくくるレースの結果に注目が集まります。

Round.5公式予選


 

最終ラウンドは朝から青空が広がり、雪化粧した富士山が望める絵に描いたような快晴。
しかし冷え込みは厳しく、午前8時の時点で気温は2度。
その後も最高気温が10度までしか上がらない予報で、
タイヤの温まり具合がレースに大きく影響を与えそうです。

 

20分間行われる公式予選は、午前8時55分スタート。全車スリックタイヤで出走となります。
いち早くコースインした一條選手が2周目でピットインすると、その後も松田選手、
後藤選手などが次々にピットに戻ってきました。温まりの早いフロントタイヤをリアにつけ替え、
本格的なアタックを行う作戦のようで、各々10分を経過したあたりからタイムを出し始めます。
まずは一條選手が5周目に1.55.401をマークし、もう1周するとアタックを終了しました。

 


この一條選手のタイムを上回るべく各選手がさらに挑み、残り7分以降、
次々に1分55秒台のタイムを記録しますが、なかなか一條選手には届きません。

そんななか、松本選手が1分55秒525をマークすると、残り2分を切ったところで
勝亦選手が1分55秒317でトップへ躍り出ました。勝亦選手はさらに周回を重ね、
前周のタイムを塗り替える1分54秒929を叩きだしています。

 

こうして、ただひとり1分54秒台をマークした勝亦選手がポールポジションを獲得。
2番手 一條選手、3番手 松本選手、そして4番手 後藤選手、5番手 松田選手
6番手 リン・ゼイ選手、7番手 吉田選手、8番手 飯塚選手という結果になりました。

 

予選 – ヒーローインタビュー


 

 

今季初のポールポジションとなった#10 勝亦選手は、

「前回のレースからマシンを走らせることができず、ぶっつけ本番のような状態でしたが、どういうわけかすべてがうまくいった感じです。気温が低くタイヤがなかなか温まらなかったのですが、滑りやすい路面は得意なので、自信を持って走れたのがよかったのかもしれません。最後はコースレコードを出せればと思ったのですが、届きませんでしたね。今回は同じチームの飯塚選手も参戦していますので、二人でいい成績が残せるようがんばります」

と話してくれました。

 

 

2番手となった一條選手は、

「熱を入れるのに苦労して、アタックした周回でタイヤが完全に温まっていなかったのが心残りです。とは言え、2番手スタートというのは、とてもいい位置につけたと思っています。決勝レースに向けていい準備ができているので、ライバルの後藤選手を抑えてシリーズチャンピオンを獲りたいですね。混戦になると予想していますが、観戦されるみなさんには白熱したバトルを楽しんでいただければうれしいですね」

とコメント。

 


3番手となった松本選手は、

「予選は失敗してしまいました。じつはマレーシアから昨日帰ってきたばかりで、富士スピードウェイの寒さにまだ慣れていないようです。決勝グリッドには二人の若いドライバーが前に並びますが、後方から様子をうかがいつつ、チャンスを待とうと思います。前戦から参戦したので、私にはシリーズチャンピオンの行方は関係ありません。プレッシャーもないので、レースがおもしろくなるよう、かき回したいと思います」

と、終始リラックスした様子だった。

 

 

 

Round.5 公式本戦レース1


MINI CHALLENGE ASIA.JAPAN SERIES 2019 Round.5 レース1決勝(MCJP第8戦)は、
午前11時35分スタート予定で、20分間+1ラップで争われます。

 

公式予選の結果、#10 勝亦勇雅選手(IDI FUSION BANK)がポールポジション。
続いて2番手 #01 ⼀條拳吾選手(adidas motorsport)、3番手 #19 松本武士選手
(バースレーシングプロジェクト【BRP】)、4番手 #02 後藤⽐東⾄選手(EX-FORM)
5番手 #05 松田秀士選手(Neu interesse)、6番手 #15 リン・ゼイ選手(Great Drive RT)
7番手 #22 吉田淳一選手(EX-FORM)、8番手 #09 飯塚一成選手(IDI FUSION BANK)
の順でスターティンググリッドに並びました。

 

 

そしてレース1決勝が、予定より少し遅れて午前11時38分にスタート。
最初のオーバーテイクポイントとなるTGRコーナー(第1コーナー)で仕掛けたのは松本選手でした。
アウトから前に出てトップに躍り出ましたが、すぐに勝亦選手が抜き返し、勝亦選手、
松本選手、一條選手の順で1周を終えコントロールラインを通過しました。

 

勝亦選手が少しずつ後続を離し始めると、今度は熾烈な2番手争いが始まります。
3周目には、松本選手、一條選手に加え4番手につけていた松田選手の3台のマシンが
並ぶようにしてTGRコーナーに入り、観客の視線を釘付けにしますが、
その後も3番手となった松田選手が前の一條選手にプレッシャーをかけ続けます。

 


この間に、勝亦選手は安定した走りで後続に2秒半近くのアドバンテージを得ました。
一方、5周目にはリン・ゼイ選手がドライブシャフトのトラブルでストップし、戦列から離れます。

 

以降は、1位 勝亦選手、2位 一條選手、3位 松田選手、4位 松本選手、5位 後藤選手
6位 吉田選手、7位 飯塚選手という順位でレースが進みますが、9周目に
ダンロップコーナーで後藤選手が松本選手を抜き4位にポジションアップ。

 

そして、このまま勝亦選手が余裕を持ってフィニッシュするかと思ったその矢先、
TGRコーナーでタイヤをロックさせてしまい、一條選手が一気に差を詰め、
最終ラップとなる12周目は二人の激しいバトルが展開されました。

 

そしてメインストレートでは一條選手が勝亦選手の後ろにぴたりとついて
スリップストリームに入りますが、反撃はそこまで。前に出ることはできませんでした。

 

こうして勝亦選手が初優勝を飾り、2位 一條選手、3位 松田選手、4位 後藤選手
5位 松本選手、6位 飯塚選手、7位 吉田選手、リン・ゼイ選手はリタイヤという結果となりました。

 

 

 

 

レース1 – ヒーローインタビュー


 

 

優勝した勝亦選手は、

「とても疲れました。セッティングを変更して決勝レースに臨みましたが、
ラスト2〜3周はタイヤがグリップしなくなり、一條選手に追い上げられてしまいました。

それでもなんとか粘ることができてホッとしています。次はリバースグリッドなので後方からの
スタートになりますが、ポールポジションがチームメイトの飯塚選手ですので、
うまくレース運びをしながら二人で表彰台に上がれるとうれしいですね」

と振り返りました。

 

 

2位の一條選手は、

「前半に松田選手との攻防でかなり消耗してしまい、最後にチャンスが待っていたものの
トップをとることはできませんでしたね。今日はポイントをあまり気にせず、
おもしろいレースになればと考えていたので、その意味ではいいバトルができたと納得しています。

個人的には、エントラント全体のレベルが上がっているのを肌で感じています。
レース2はシーズンを締めくくる最終戦なので、観戦される方が楽しめる走りを
お見せすることができればと思っています」

とコメント。

 

 

3位の松田選手は、

「本格的なレースに出場するのは今シーズン初めてで、
ハードなバトルもあったのですが、“元気に”走りきることができました。
感覚を取り戻すのに少し時間がかかりましたが、それでも楽しかったですね。

次も表彰台に上がりたいと思いますが、まずは自分自身がレースを楽しむことが第一。
少し消極的な気持ちのように捉えられるかもしれませんが、MINI CHALLENGEは
そう思わせてくれるほど、ほんとうにおもしろいんです」

と語りました。

 

Round.5 公式本戦レース2


 

MINI CHALLENGEは「リバースグリッド」方式を採用しており、
レース2決勝のスターティンググリッドはレース1の1位から6位までが
順位を逆さにして並びます(7位以降の順位はそのまま)。

 

レース1決勝は、
1位 #10 勝亦勇雅選手
2位 #01 一條拳吾選手
3位 #05 松田秀士選手
4位 #02 後藤⽐東⾄選手
5位 #19 松本武士選手
6位 #09 飯塚一成選手
7位 #22 吉田淳一選手
そして#15 リン・ゼイ選手はリタイヤという結果でした。

これによりレース2決勝は、飯塚選手、松本選手、後藤選手、松田選手
一條選手、勝亦選手、吉田選手、リン・ゼイ選手の順でグリッドに並ぶことになります。

 

 

しかし、フォーメーションラップには松本選手の姿が見えません。
マシンがトラブルを抱えたため急遽修理に入り、結局ピットスタートとなりました。

 

午後3時13分、レース2がいよいよスタート。勝亦選手や一條選手のジャンプアップが予想されましたが、一気に前へ出たのは一條選手。
1周を終えコントロールラインを通過するときには、
なんとトップに躍り出ていました。その後ろにぴったりとついてチャンスをうかがっていたのは後藤選手。

そして3番手 勝亦選手、4番手 リン・ゼイ選手、5番手 吉田選手
6番手 飯塚選手、7番手 松田選手、8番手 松本選手というオーダーとなりました。

 

 

2周目以降は一條選手、後藤選手、勝亦選手がコンマ5秒前後の間隔で連なり、
上位3台が後続を引き離すかと思われましたが、4周目に入ったタイミングで
後藤選手にフライングスタートによるドライブスルーペナルティが科され、

後藤選手は後退を余儀なくされます。その後は、トップを走る一條選手がコンスタントに
1分55秒台のタイムをマークしながら勝亦選手を徐々に引き離し、

5周目以降は2秒以上の差を保ったまま快走。2位の勝亦選手と3位に浮上していた
松田選手のギャップも8周目には14秒以上に開きました。

 

 

その後は、9周目にリン・ゼイ選手がピットイン。トラブルを抱えたため、
そのままリタイヤとなりました。後藤選手は後方から追い上げるものの
5位に順位を上げるのが精一杯。レースは12周でフィニッシュとなりましたが、

1周目にトップに立ち、安定した走りを見せた一條選手が2位の勝亦選手に

4秒以上の差をつけて優勝。3位は松田選手で、4位 松本選手、5位 後藤選手、
6位吉田選手、7位 飯塚選手、リン・ゼイ選手はリタイヤという結果で最終戦を終えました。

 

この結果、2019年のシリーズチャンピオンを一條選手が獲得。
見事2年連続で栄冠を手にしました。2位は後藤選手で、
3位には最終ラウンドの2レースで優勝、2位とめざましい活躍を見せた勝亦選手が入っています。

 

 

 

レース2 – ヒーローインタビュー


 

レース2(MCJP第9戦)で優勝し、シリーズチャンピオンに輝いた一條選手は、

 

「まず、1年を通して大きなアクシデントがなく、MINI CHALLENGE 2019シーズンが
無事に終了したことをとてもうれしく思います

ディフェンディングチャンピオンということもありプレッシャーを感じていましたが、
連覇できたいまはホッとしています。じつはこれまでに同じカテゴリーのレースに
2年続けて出場したことがなかったので、とてもいい経験になりました。

応援していただいたすべての方々、スポンサーのみなさま、
そしてジオミックモータースポーツのみなさんに感謝いたします。
まだ来年のことは未定ですが、もし出場できるのであれば全力を尽くしたいと思います」

 

と喜びを語りました。

 

2位となった勝亦選手は、

 

「シーズン前半はトラブルに悩まされ、思うようにマシンのセッティングが
進みませんでした。けれど、富士スピードウェイで行われたRound.4あたりから
本来のパフォーマンスを発揮できるようになり、最終ラウンドで確かな結果を残すことができました。いいことも悔しいこともたくさん経験できたので、

かなり成長できた1年だったと思います。MINI CHALLENGEを楽しみ、
それに関わられたすべてのみなさんにお礼を言いたいですね。ありがとうございました。
もし来年も出場できるのなら、この経験を生かしてチャンピオンを狙います」

と1年を振り返りました。

 

 

 

2戦連続で3位となった松田選手は、

 

「1周目で、前にいた一條選手や後藤選手が勢いよくコーナーに進入するのを見て、
自分も大丈夫とそのまま突っ込んだら、見事にスピンしてしまいました。けれど、
『いける!!』というアグレッシブな心持ちになれたことが、
いま思うととてもうれしいんです。じつは一條選手、勝亦選手が22歳と聞いてびっくり。

40歳以上離れているんですね。そんな私でも今日の経験を忘れずに、
来シーズンも周囲から『まだまだ頑張ってるな』と思われるようにがんばりたいと思います」

 

と笑顔で話してくれました。

 

 

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